702講義室
2018-01-06 10:48:00
私という客体
たとえば、目の前に
Aさんが椅子に座り、机の上の赤いリンゴを見ている
とする
この場合
主体であるAさんが、客体である赤いリンゴを認識している
と、理解する
がしかし、実際には
「Aさんが見る」という主観性は、Aさんの脳の前頭葉で生み出され
「赤いリンゴ」というクオリアは、Aさんの脳の後頭葉で生み出される
「赤いリンゴをAさんが認識する」というプロセスは、すべてAさんの脳内現象であり
前頭葉と後頭葉は独立した存在ではなく、不可分の脳というひとつのシステムである
人間の認識プロセスは、主体も客体もひとつの脳の中で生み出される脳内現象である
つまり、目の前に広がる世界は、自分自身なのだ
2018-01-05 11:07:00
感情のもつ不確実性の役割
進化などない
あるのは変化だけである
環境の変化にたまたま適応したものを進化と言っているに過ぎない
人間の行動原理においては、感情がその役割を果たす
感情のもつ不確実性が、人間の行動を分散化させ
不確実な事象に対しリスク分散しているのである
進化は、生きる上で機能が改善する方向に起ると思われているが
関係ないからこそ、自由にかつ大胆に変化できるのである
2018-01-04 10:55:00
人間の人間たる行動原理
進化心理学は、人間の行動価値規範を
ダーウィンの進化論から説明しようとするものであるが
その判断基準は、子孫を残せるかどうか?というころにあるとする
がしかし
生物的本能としては、既定のものであろうが
人間の行動原理には、必ずしも当てはまらない
人間は、損得の現実的報酬とは関係なく
脳が勝手に報酬を作って、勝手に消費する部分が大きい
客観的合理的性と、脳の報酬系的合理性は必ずしも一致しない
これが、人間が人間たる所以であろう
2018-01-03 00:04:00
幸福の摂理
人生の浮き沈み、山あり谷ありは、自然の摂理なのか?
それが現実の摂理ならば、イコール脳の摂理である
幸福の脳内物質に、セロトニン、ドーパミンなどがあるが
1という情報が発信された場合
0に戻る前提があるから、情報は意味を持つ
1という情報が、1のままでは情報にならない
脳内物質が放出されたならば
かならず吸収される必要がある
ドーパミン、セロトニンが大量に放出され続ければ
いいというわけではないのだ
(ドーパミンの過剰放出が統合失調症である)
幸福な状態が続けば、それは幸福ではない
不幸があってこその幸福なのだ
ちなみに、ドーパミンはギャンブルのような不確実性を好んで放出される
これは、現状維持を壊す役割を担っていると考えられる
2018-01-02 09:38:00
天才の状態
天才とは
その人、固有の特質ではなく
脳の状態、脱抑制状態にある
面積に限りのある脳は
ひとつの領域で、複数の仕事を担うことになるのだが
ひとつの領域で、ある仕事をしているときには
その領域における別の仕事は抑制されることになる
その抑制が解除された状態を
天才という
ただし、抑制のはずされる能力は
後天的に作られている必要がある
しかるに、抑制が外れた場合、逆のことも起こりうる
天才とキチガイは紙一重とはよく言ったものである