702講義室
2018-01-13 10:50:00
芸術が見ているもの
芸術における価値基準の根拠は
「幸福」ではない
言い換えれば
客観的合理性の追求による、幸福なる要件の実現
ではない
人生に意味などあるはずがない
芸術が扱うものは、人間のそのままの心でしかない
そして
そのままの心に、人生の在り様を観察し見出すことでしかない
人間は、割り切れない何かに価値を見ている
2018-01-12 07:50:00
神仏の夢想
脳の中にある1000億の神経細胞自体には
意識を生み出す力はない
がしかし
その1000億の神経細胞の活動による相互関係から
人間に意識が生まれると考えられる
仏陀の教えは
この世は、相対的関係性により成り立つという「縁起」に集約される
個々の人間とは関係なく
その相対的関係性による、超越したさらなる意識が生み出されるとしたら・・・
そう夢想するのは、私一人であろうか?
春の夜の夢
2018-01-11 11:49:00
メタ認知
目の前のテーブルの上に、赤いリンゴがあります
がしかし、私はその赤いリンゴ自体を知ることはできません
私が知りうるのは
私の外にある物体を、写像として脳内で処理したイメージだけです
私の認識する赤いリンゴのイメージは、私という主体から独立した客体ではなく
私の脳神経細胞の活動を、外から眺めるがごとく認識しているに過ぎない
自分自身の一部分である脳神経活動を、自分の外から観察するかのような
認識のプロセスをメタ認知といいます
2018-01-06 10:48:00
私という客体
たとえば、目の前に
Aさんが椅子に座り、机の上の赤いリンゴを見ている
とする
この場合
主体であるAさんが、客体である赤いリンゴを認識している
と、理解する
がしかし、実際には
「Aさんが見る」という主観性は、Aさんの脳の前頭葉で生み出され
「赤いリンゴ」というクオリアは、Aさんの脳の後頭葉で生み出される
「赤いリンゴをAさんが認識する」というプロセスは、すべてAさんの脳内現象であり
前頭葉と後頭葉は独立した存在ではなく、不可分の脳というひとつのシステムである
人間の認識プロセスは、主体も客体もひとつの脳の中で生み出される脳内現象である
つまり、目の前に広がる世界は、自分自身なのだ
2018-01-05 11:07:00
感情のもつ不確実性の役割
進化などない
あるのは変化だけである
環境の変化にたまたま適応したものを進化と言っているに過ぎない
人間の行動原理においては、感情がその役割を果たす
感情のもつ不確実性が、人間の行動を分散化させ
不確実な事象に対しリスク分散しているのである
進化は、生きる上で機能が改善する方向に起ると思われているが
関係ないからこそ、自由にかつ大胆に変化できるのである