2018-03-26 15:15:00
「私は、この目で見たものしか信じない!」
とか言う人がいます
これは
自分の目に見えているもの、脳が認識しているものが
客観的真実であるという前提に基づく態度でしょうが
ならば
人間は、外界の様相をありのままに知覚することができるのでしょうか?
結論から言って
人間が知りうる外界の様相は、人間の脳がでっちあげた創作物でしかありません
よく言われるたとえに、携帯電話の着メロがあります
誰かから電話がかかってくると、電波が携帯に着信して着メロが鳴る
がしかし
その曲目は、携帯電話側の設定であって、電波とは関係がない
同様に
人間が認識する色は、電磁波とは関係がない
電磁波には、赤だとか青だとかの情報は含まれておらず
人間の脳の側の勝手な設定でしかないのです
だから、人間以外の動物の大半は、同じ色など見ていません
しかも
人間の脳は、電磁波の入力さえ無しで、色を見ることがあります
さらに
色や形、動き、奥行きなどに分類される視覚情報処理システムは
後天的に、大脳皮質に作られるものであって
人間には、視覚認識能力が先天的に備わっているわけではないのです
人それぞれ視覚認識が違ってもおかしくないことになります
現に
手術による開眼者には、数十年の視覚訓練が必要とされ
それでも健常者と同じ視覚能力を獲得することは難しいのが現実です
もっと言えば
見たことのないものは、それが何であるかなどわかるはずがありません
目の前に広がる現実世界は、脳の創り上げたフィクションの世界でしかないのです